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公正証書

◆公正証書ってなに?

公正証書とは、公証人が作る強力な事実関係を証明する証明書です。
私たちが、生活をしていく上で人と人とが交わるとき、守らなければならない約束があります。たとえば、商品を買ったらその代金を払う、お金を借りたら返すなどがありますが、これらはすべて法律上“契約”と呼ばれます。契約というと家を買ったり借りたりするときの分厚い契約書を思い浮かべる方が多いと思いますが、契約書を使った“契約”は約束の極一部でしかありません。

契約は、そこに約束が存在し、スーパーで野菜を買うといったことや、友人から本を借りるといったこともすべて契約に含まれます。その為もちろん口約束でも契約は成り立つのですが、わざわざ“契約書”なるものを作成し、双方に署名や印鑑を求めるにはわけがあります。

“契約”を書面にするのは、事実関係を明らかにし、双方が確認し証明するためです。事実関係を書面で明らかにしておけば、例えばお金を貸した人が「100万円」貸したと言っているのに借りた人は「10万円」借りた、とトラブルになったとき作成した書面をみればすぐにどちらの言い分が正しいか分かる訳です。口約束では“言った”“言わない”の水かけ論となる可能性のある「契約」が書面にすることによって、トラブルを解決できることはもちろん、勘違いやうそをつくことをなくすことができますし、トラブルの予防にも役立つのです。

契約書の作成方法は特に決まりはありません。当事者が内容を確認し証明できればよいのですが、実際にトラブルが起こった時に事実を証明する“証拠”にならなければなりません。日付や、対象となる物事などが具体的になっていないと、後日何日に何が対象となってるのか分からず、証拠とは認められません。また、簡単に偽造されてしまったり火事や盗難などで紛失してしまうことも考えられます。

このような問題を解決するための一つの方法として「公正証書」があります。公正証書とは、公証人が作成する公的な文書のことを指します。公証人は公証役場にいますが、この人たちは裁判所判事や検察官・弁護士などの経験を一定期間以上有するものしかなれず、いわば法律に関するエキスパートです。その公証人が、実際に立ち会い、事実関係を整理し、法律的に意味のある“契約”にしてもらうと後日トラブルになったとき、契約書の不備や紛失・偽造などの心配がほとんどなく、契約時の事実がそのまま文書として残っていることになり、トラブルにならないか、もしくはトラブルになっても解決への道が早くなります。

さて、冒頭に“トラブルを防ぐための強力な証明書”と書きました。“強力な”とは何かと申しますと、公正証書には、さまざまな事実を証明すると同時に、証明をもとにさまざまな法律関係を実行できる文書ともなります。たとえば、お金の貸し借りをしたときに、借りた人が返せなかったら、強制的にお金を取っていいですよ、という文言が公正証書の書面の中にあれば、貸した人はその公正証書をもって返済できない借主の、会社からの給料を差し押さえたり、預金を差し押さえたりすることができます。
離婚のときに慰謝料や財産分与、子供の養育費などの支払を公正証書にし支払えないときには強制的に取ってもいいですよ、という文言が公正証書中にあれば、そのお金はやはり、給料や預金から強制的にとれるようになるのです。
他人の給料や預金から強制的にお金を取れる方法は、現在の日本の法制度の中では、裁判によるしかなく、裁判にはお金も時間もかかりますが、公正証書を作成していれば裁判によることなく、強制的にお金を取ることができることができます。

◆公正証書の概要

公正証書とはなにか、簡単に申し上げますと、公証人が作成した公的な文書を言います。具体的には金銭の貸し借りに関する契約や不動産を売ったり買ったりするときの契約、遺言や離婚の際の養育費などの支払いといった様々な内容について、民法やその他の関連する法律に照らし合わせて、作成された文書のことを言います。
そして公正証書は、依頼者からの話を聞いて公証人が作成します。公証人は裁判官や検察官などの法律の専門家が、十分な経験を経てから任命されその職務を行います。

 公正証書を作成するには、全国に公証役場が300か所ほどありますので、そちらに出向いて公証人に、作成したい文書の内容を伝えます。これは、依頼者が一人で行くことも可能ですが、事前に行政書士などの専門家に内容を伝え原案を作成してからいくとかなりスムーズに作成が進みます。
内容が確定されたら依頼者が文書の内容を確認し、署名押印することによって公正証書は完成となります。この公正証書の原本は、公証役場に保管されます。

◆公正証書の有効性

金銭の貸し借りに関する契約や不動産を売ったり買ったりするときの契約、遺言や離婚の際の養育費などの支払いといった内容に関しての契約は、公正証書で作成しなくてもよいことになっています。公正証書でなければ効力を持たない契約も存在しますが、そういった契約はまれです。
実際に公正証書以外で、このような契約はたくさん結ばれています。公正証書以外でも結ぶことができる契約なのに、なぜ公正証書で結ぶ必要があるのでしょうか?

ひとつ違いがあるとすれば、契約書の最初に公証人が作成した旨が記載され、契約書の最後には公証人が、当事者を確認した旨、作成の年月日、場所などが記載されています。

記載内容はそれぐらいの違いですが、公正証書にしておくと当事者間で何らかのトラブルになったとき、話し合って解決できればいいのですが、解決できなかった時、裁判という形で争うことになります。裁判になると当事者や関係者の証言や書類などのさまざまな証拠をもとに裁判官が、どちらが正しいのか判断します。そのため、提出された証拠が信頼するに足る信用性があるかどうかによって裁判に勝つか負けるかが決まってくるのです。

双方の言い分が異なるとき、例えば貸した方は100万円貸したといっても、借りた方は50万円しか借りていないといったら、そこに必ずトラブルが生じるでしょう。口約束だけならば、双方の言い分は食い違っているので“言った、言わない”の水かけ論となってしまいます。運よく借用書などを作っていた場合は、それを証拠として提出すれば、なにもないよりは信用性は増すでしょう。しかし一方が借用書を証拠として提出しても、もう一方が偽造だと主張するとその借用書の証明力は低下せざるを得なくなります。

そこで公正証書を作成していた場合、公正証書は法律の専門家が作成する公文書ですから、事実を証明するとても強力な証拠になります。公正証書は原本が公証役場に保管されますので、紛失や偽造などの心配なく安定した証拠力を持つことになります。

裁判でも有力な証拠力をもつ公正証書ですから、紛争になり裁判になったときにはもちろん有効に利用できますが、裁判になる前に解決する道が増えるということもあります。お金を貸した、借りたという事実が公正証書になっていれば、その事実はくつがえすことができず、金額や返済期限までも明記されていることがほとんどですから、争うポイントはごく限られ、そもそも裁判などの紛争に発展しにくいという“紛争を抑止”する効果があります。

また公正証書は、お金の貸し借りで言えば、借りた人に確実にお金を返させるというプレッシャーをかけることがでるというメリットがあります。公正証書を作る手続きは公的機関や法律家を通じて、厳正な手続きの下で行われますから、それだけでもお金を借りている人は“返さなければならない”というプレッシャーを感じますし、貸した人の“必ずお金を返しなさい”という強い意思を感じさせることができます。

万が一裁判となった場合でも、強力な証拠力で真実を有する方が圧倒的に有利な立場で進めることができます。

◆強制的にお金を取り返せる?

公正証書は、その証書中に「お金を返さなければ強制的にお金を取り返すことができる」という文言を一文入れておけば、現実にお金が返ってこない場合、その公正証書をもって裁判手続きを経ずに、強制的にお金を貸した人は借りた人からお金を返してもらうことができるのです。

現在の日本の法制度のもとでは、たとえお金を貸したとしても貸した人は強制的に取り返すことはできません。たとえば、お金を貸した人が、現実にお金を貸していて貸したお金を取り返す目的で借りた人の家に入り込んだり、大きな声で“返せ!”と怒鳴りこんだりすることはできません。たとえ貸した人が「自分のお金を取りに来たんだから」「お金を返さない方が悪い」などとその正当性を主張しても、自らが考え勝手に行動してしまっては、住居不法侵入、脅迫罪など、逆に犯罪者となってしまう可能性が高くなります。

貸金の返済がない場合、今の日本では、お金を貸した人が裁判所で裁判を起こし、その裁判に勝ち、その上で借りた人に文書なりで貸金の請求をしても支払がない場合に、裁判所に再度強制執行の申立をして初めて、強制的に借りた人からお金を取ることができるシステムになっています。とても面倒な仕組みですが、現状公正証書を作成していない場合、この方法によるしか手はありません。

そこで、その貸金契約を公正証書にして「お金を返さなければ強制的にお金を取り返すことができる」という文言をいれたとしましょう。
その場合、貸した人は裁判所で裁判をしなくてもよく、借りた人がその返済をしないという事実があれば、直接裁判所に強制執行の申立をすればよいこととされています。裁判には、膨大な費用と、時間そして労力がかかります。裁判には弁護士費用、裁判費用はもちろん1カ月で判決があればよいですが、半年や1年かかる裁判も、ざらにあります。さらに裁判で使う証拠を集める作業も決して楽ではありません。
中には貸したお金は戻ってきたけど、費用で赤字になってしまったなんて方も、少なからずおられます。
“転ばぬ先の杖”“強力な証拠”の意味でも公正証書作成は、とても有効な意味を持つでしょう。

◆公正証書を作成するときの手数料

 

・証書の作成費用

目的の価額(※1)100万円以下 手数料5,000円
目的の価額 200万円以下 手数料7,000円
目的の価額 500万円以下 手数料11,000円
目的の価額 1,000万円以下 手数料17,000円
目的の価額 3,000万円以下 手数料23,000円
目的の価額 5,000万円以下 手数料29,000円
目的の価額 1億円以下 手数料43,000円
以下超過額5,000万円ごとに3億円まで 13,000円
10億円まで 11,000円
10億円を超えるもの 8,000円加算

※1 目的の価額の算定額
金銭貸借…賃貸借金額
売買  …代金の2倍の額
不動産賃貸借…期間中の賃料総額(ただし10年分まで)の2倍の額
担保  …担保目的の価額または担保される債権額のいずれか少ない額
算定不能の場合…価額500万円として算定
遺言  …遺言により相続・遺贈する額、相続・受贈者ごとに算出
また目的の価額の総額が1億円までの場合11,000円加算
秘密証書遺言は11,000円

 

・建物区分所有法による建物の規約設定手数料

専有部分の個数 10個以下 23,000円
専有部分の個数 10個を超え50個以下 10個までごとに11,000円追加
専有部分の個数 50個を超え100個以下 10個までごとに9,000円追加
専有部分の個数 10個を超えるもの 20個までごとに6,000円追加

事実実験手数料 1時間までごとに11,000円(休日等は2分の1を加算)

役場外執務(遺言・事実実験等)
日当…  20,000円(4時間以内10,000円)
交通費… 実費
病床執務手数料… 2分の1加算

 

・その他

契約書の認証 11,000円(証書手数料の半額が11,000円を下回る時はその額)
外国文認証 6,000円加算
会社定款の認証 50,000円
確定日付 700円
執行分の付与 1,700円(承継等 1,700円を加算)
正本または謄本の交付 1枚250円
正本または謄本の送達 1,400円(郵便料実費額を加算)
送達証明 250円
閲覧 1回200円

※公証人手数料は事案によって多少前後します。上記は目安として、実際に作成する場合には公証役場に直接金額を問い合わせてください。

※上記は公証役場における手数料です。行政書士などの専門家に依頼する場合には別に報酬が必要です。

事務所報酬 ⇒ 報酬ページをご覧ください。

◆公正証書で結ぶことが義務付けられている契約

公正証書は強力な証拠力でトラブル回避に有効とされていますが、ほとんどの契約などにおいて義務付けられているわけではありません。
しかしいろいろな法律で、公正証書にしなければなりないものもありますので注意が必要です。

任意後見契約

任意後見契約を結ぶ場合には、公正証書によらなければなりません。
任意後見契約については“任意後見契約”のページに詳細がありますので参考にしてください。

事業用定期借地権の設定契約

事業用定期借地権とは、事業のために用いる建物の所有を目的とし、かつ存続期間を1年以上50年未満として借地権を設定する契約を言います。事業用定期借地権の設定契約は公正証書にしなければなりません。

マンションなどの権利規約

マンションなどの管理規約は住人が本来総会などで決めることになっていますが、規約敷地、規約共用部分などの一部の項目については、分譲業者などの最初に建物の専有部分を全部所有する者は公正証書によって、単独で規約を作ることができます。

◆公正証書にすることができないもの

公正証書はトラブルを事前に予防するという点で大きな効果が期待できるものですが、「公序良俗に反するもの」と「法令に違反するもの」に関する内容については作成することができません。
「公序良俗に反するもの」とは、世間一般で考えて不適切なものです。例えば愛人契約や幼い子供に労働を強要するもの、ギャンブルなどの貸金等に関するものをいいます。
「法令に違反するもの」とは、例えば法律で定められた利率を超える貸金や法律で定められた期間を超える賃貸借契約などを指します。

◆公正証書を作成した方がより有効に今後のトラブル予防できるもの

公正証書は個人の権利の取得・変更・消滅に関する事実を証明したり、法律行為に関するものについて広く利用することができますが、ここでは公正証書を利用すればより有効に今後のトラブル回避を期待できるものについて述べていきます。

遺言

遺言は公正証書で作成しておけば、無効となる可能性はほとんどなく、執行するために家庭裁判所による検認は必要ありません。また、遺言書原本は公証役場に最低20年間保存され、偽造、変造、隠ぺいなどはありえず安心です。
遺言者が署名できなくても公証人がその理由を付記すれば有効なものになります。

離婚

離婚は当事者同士で話し合いをして話がまとまれば、理由の如何に関わらず離婚をすることができます。話し合いでまとまらない場合には、裁判所による調停や裁判での離婚もありますが、現在調停や裁判での離婚はさほどでもなく、多くは話し合いで離婚をする「協議離婚」です。
協議離婚の際には当事者間の話し合いで財産分与や子供の養育費、慰謝料などを決めることができますが、これらを公正証書にしておかないと、支払がなされなかったり、約束をしてないと言い張られたりしたときに、困ってしまいます。
財産分与は結婚している間で築いた財産を均等に分けることをいいます。均等と言っても半分ずつというわけではなく、ともに稼いだ財産をどのように分配するかを話し合いで決めます。専業主婦の場合も夫が全額を稼いできているのだから、財産分与は認められないのではなく、夫が働きやすい環境を作った経緯や、夫が仕事をしている間家事や育児に貢献したなどの財産形成の貢献度によって財産を分ける権利を持っています。
慰謝料は、離婚の原因が、DVや不倫など、明らかに一方にある場合、離婚原因を作った側に対し、慰謝料を請求することができます。
子供の養育費は、未成年の子供を養育する側に請求する権利があります。成人するまでや大学卒業までの子供の生活費、学費などの費用をだれがどのように支払うかを決めて請求します。
子供の問題はとても複雑かつ長期にわたるため、病気になったときにはどうするか、大学受験などで浪人した場合には、などとイレギュラーなこともしっかりとここで取り決め、公正証書にするべきです。また、将来支払が滞った時に備えて、強制的に養育費を取れることを盛り込んだ文章にしたり、連帯保証人・保証人などを求めるなどを考えた方がより有効でしょう。

金銭消費貸借契約

金銭消費貸借契約とは、簡単に言うと“お金の貸し借り”に関する契約のことを言います。貸した金額、利息は取るのか、いつまでにどのような方法で返済してもらうのか、返済しなかった場合にはどのようにするのかなどを決めて、それを公正証書にします。前述の「お金を返さなければ強制的にお金を取り返すことができる」という文言をいれておけば、裁判手続きを経ずに強制執行の申立ができます。

賃貸借契約

主に建物(一戸建て・アパート・マンション)土地などの賃貸借契約があげられますが、自動車やなにか大切なものを貸したりするときにも利用できます。期間や保証金、使用料などの規定が重要です。また途中解約の場合の代金や連帯保証人などの項目もあれば、安心でしょう。

債務弁済契約

債務弁済契約とは、お金などを借りている時にどのような方法で返済するかを決めるものです。たとえば何か物を買ったときに代金をどのように支払うのか、借金をしている時の返済方法、損害賠償の支払方、請負代金の支払方法、その他何らかの金銭を支払わなければならない場合の契約のことを指します。
この契約では、契約内容を明確にし、利息・支払が遅れたとき・支払が滞ったときに関するもの、連帯保証人に関する事項が重要です。

保証契約

保証契約とは、例えばお金を借りるときに保証人を立てたり連帯保証人を立てたりしたことを約する契約になります。この公正証書を作成することによって、お金を貸す方に安心感を与えることができます。
この公正証書も強制執行できる旨を記載することによって裁判手続きなしで強制執行を申し立てることができます。

示談契約公正証書

交通事故などのトラブルが起こった時には、まず話し合いが行われることが普通です。この話し合いを示談交渉と呼びますが、この交渉で解決できなければ、裁判手続きへと移行しますが、示談によって解決することの方が多いようです。
話し合いによって解決した場合にはその内容を公正証書にしておくことが勧められます。公正証書にしておけば、トラブルがそこで終結したことがわかり、話し合った内容も法律家が立ち会った上で、示談金その他の事項を決めることができます。

事実実験公正証書

事実実験公正証書とは、契約などの法律行為だけでなく、公証人自身が見聞きした事実に基づいて作成される公正証書のことを指します。
例えば、株主総会の議事進行を公証人に見聞きしてもらい、株主総会手続きが適正に行われたこと事実を証明してもらったり、臨死の際に人工呼吸器そのほかの延命措置は望まない旨を宣言したものを、公証人に証明してもらう尊厳死宣言公正証書などがあります。尊厳死公正証書については、任意後見のページに詳しくありますのでそちらを参考にしてください。

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